中学受験理科 苦手な「電流」「回路」の考え方 その1

長女も苦労した「電流」の問題。分かりやすい説明の仕方がないものかと考え続け、一つの考え方に辿りつきました。

巷では「乾電池の直列個数」➗「豆電球の直列個数」で計算する方法が主流となっているようです。それはいいのですが、理屈の説明が不十分で問題を解くためのテクニックを伝えているだけのような印象を受けます。そもそも解説している人が理屈を分かっていないんだろうな・・と思うような解説ブログ、解説動画が多すぎます。とあるyoutube動画では合成抵抗を説明するのに「理屈は置いておいて、このように計算すると覚えてください」と言う始末。確かに上手く説明するのは難しいんです。ただ、今まで多くの人が説明してきた内容にあと一言二言付け加えるだけで理解がかなり進むと思うのですけどね。

 

 

回路図の持つ意味を知る

回路図から様々なことが分かります。電流がどちら向きに流れるとか、途中で電流が分かれたり合流したり…といった具合です。これは電流に着目した回路図の見方です。

一方、次のように考えたことはありますか?

 

回路図は、豆電球に対してどのように電圧がかかっているかも示している

つまり、電圧に注目した考え方になります。そしてこれがこの分野を解く鍵になります。というより、この分野は「電流」ではなく、「電流・電圧」と名前を変えるべきです。

 

電圧とは

電圧は「電位差」、「位置エネルギー」などいくつかの表現方法がありますが、「電流を流そうとする力」が分かり易いと思います。抵抗(豆電球)に電圧がかかってなければその豆電球には電流は流れません。逆に言えば、電流が流れるなら、必ずその豆電球に電圧がかかっていることになります。

 

直列回路に流れる電流

直列回路でおさえておくべきルールはひとつです。それは直列回路に流れる電流は、回路のどこでも同じということです。

 

 

直列回路にかかる電圧

中学入試の電流問題で頻出なのは、乾電池1個と豆電球1個を直列に繋いだ時の明るさや電流を1として、他の回路図と比較するものです。これを基本回路と呼ぶこととします。この基本回路を電圧の観点から考えてみましょう。(本来、導線や電池には内部抵抗がありますが、これらの抵抗はないものとして考えます)

よくある説明は「乾電池1個と豆電球1個を直列に繋ぐと1の電流が流れる」というものです。ここで電圧に着目すると、「乾電池1個と豆電球1個を直列に繋ぐと、豆電球に乾電池1個分の電圧がかかって1の電流が流れる」という説明になります。電圧の単位はV(ボルト)と呼ばれるので、仮に乾電池1個の電圧をVとすると豆電球にかかっている電圧は以下のようになります。

 

 

それでは、直列に豆電球を繋ぐと電圧はどのようになるのでしょうか?それを以下に示します。

電流は水流、電圧はポンプに例えられることもあるように、回路を1周する間にそのポンプはすべての「圧」や「力」を流れにくい場所に振り分けます。電池がVの電圧を持っているのなら、回路を1周する間にすべての豆電球にその電圧を振り分けます。つまり、上図において、それぞれの豆電球にいくらかの電圧が振り分けられます。豆電球に電流が流れている以上、それぞれの豆電球にかかっている電圧がゼロということはありえません(電圧は電流を流そうとする力なので)。それでは、どのくらいの電圧がかかっているのでしょうか?

直列回路の特徴は、「回路のどこでも同じ電流が流れる」でした。中学受験の電流の問題では、基本的に抵抗値が等しい豆電球をいくつか組み合わせて回路が構成されています。上図において、回路に同じ大きさの電流を流そうとすれば、

V1=V2=0.5V  となります。

 

 

もし、抵抗値1の豆電球①と抵抗値2の豆電球②を直列につないだ場合の電圧は以下のようになります。

抵抗2の豆電球には電流が流れにくいので、回路全体に同じ大きさの電流を流そうとすれば、抵抗1の豆電球にかかる2倍の電圧が必要だと言う訳です。つまり、電池が持っている電圧はその抵抗の大きさによって、比例配分されることになります。

 

「基本回路」の豆電球には乾電池1個分電圧Vがかかり、この時の電流の大きさを1とするという決まりでした。では、乾電池1個に豆電球2個を直列につないだ場合は?先程記載したように、この時豆電球には0,5Vの電圧がかかっています。つまり、この豆電球には電流を流そうとする力が「基本回路」の豆電球と比較して半分だということです。したがって、この豆電球を流れる電流は「基本回路」の半分となります。

 

同じように乾電池1個に豆電球3個を直列につないだ回路を考えます。この回路の豆電球にかかる電圧は以下のようになります。

かかっている電圧(電気を流そうとする力)が3分の1なので、豆電球に流れる電流も3分の1となります。

 

結局、電流の大きさを知ろうとすれば・・

これまで見てきたように電流の大きさを知ろうとすれば、豆電球にかかっている電圧が分かれば良いということになります。ここで小学生は習わないということになっているオームの法則から考えてみましょう。

オームの法則は 電圧=電流✖️抵抗 で表されます。

中学受験の電流問題において、豆電球はすべて同じものが使われると考え、例えば抵抗値に1を代入すると、

電圧=電流

というとてもシンプルな式になります。つまり、どの豆電球においても(これが大事!!)、この式が成り立つということです。以下のような直並列回路においても同様です。

それぞれの豆電球にかかっている電圧を求めることで、そのまま電流の大きさが分かります。詳しい考え方は次回以降解説します。この考え方を使えば、「合成抵抗」という考え方は必要ありません。

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